この投稿から、「今年の抱負」に掲げたテーマに戻って書いて行きます。続いては「数字を味方につける」お話です。
■仕事を「数字」で考えるようになったきっかけ
思えば自分は、20代の頃に仕事で数字を意識した事があまり有りませんでした。というか、数字に迫られるような仕事をした事も無かったというのが正しい言い方になりますね。例えば、開発をやっていた頃は、成果物が納期通りに上がればまぁ良しという世界であり、工数はどんぶりでした。インストラクター時代も、予め決められた開催日までに講師として教科を習得を終わらせれば何も言われませんでした。これらはある意味、昔々の物々交換の時代に近いノリであり、シンプルで分かり易く、自分の成果を伝える為に頭を使う必要が余り有りませんでした。
しかし、自分の場合、それでは話が通じない事が出てきました。ちょうど30代に入ってすぐ、「人間「システム監視マシーン」からの脱出」や「ネットベンチャーブームとシステム負荷との戦い」あたりでのお話です。
この時はインフラ構築・運用がメインだったので、会社としては「インフラがトラブル無く稼働し、サービスが継続出来れば、まぁ良し」の世界で有り、前段のお話で行くと「気合いと根性で、インフラをトラブル無く稼働させる」ことがシンプルで分かり易く、自分の成果を伝える為に頭を使う必要が余り有りません。
が、元記事に書いたように、自分はそのやり方に辟易していた訳で、会社として「まぁ良し」とされていた状況を覆さないと、自分の思うような仕事をする事が出来ない状態でした。
皆さんだったら、このような状況に追い込まれた時、どんな手を打ちますか?単なる改善提案だけでは、会社として「まぁ良し」としているのに、余計な手間ひまかける事無いと判断されてしまう可能性が高い状況です。
■自分の仕事を「数字」で表現する
このような状態で決定打になるのが「数字を味方に付ける事」です。
もしあなたが、会社にとってより良いと思う提案をしようとしているのであれば、よりよいと思っている事がどのようなメリットをもたらすかを、「数字で示す」のです。
「数字の種類」は担当業務によりまちまちですが、自分が今までの経験で意識した数字(指標)の分類を以下に列挙します。
これらの分類に属する数字か、又はこれらを組み合わせる事で、自身が携わる業務に関する改善提案のメリットを、あらかた説明が出来るはずです。
逆に、このいずれの数値を使っても改善提案のメリットを説明する事が出来ないのであれば、その提案の有効性をもう一度検討し直す事をおすすめします。
良くあるケースとして、専門的な分野で用いられている指標をそのままつかってしまう事をあげておきます。
例えば自分が属していたIT関係の分野では、CPUやメモリ、ストレージの利用率等をそのまま提案書に載っけても、それが採用されるか否かは、その提案書を見て決済する上司や役員に掛かっている訳で、もしそのような立場の人がITに疎ければ、「ストレージの利用率?要らんファイル消しとけJK」みたいな具合になってしまう訳です。
よって、決済をする人がよほど貴方の仕事に精通していない限りは、無理矢理でも上記5つのいずれかに絡める事が必要になると思った方が良いでしょう。
また、0からものを生み出す事を求められる仕事や、いわゆる「おもしろい」の一言で突っ走りたい仕事等も、ビジネスの縮小均衡が多く見られる最中において、最終的には上記5つのいずれかに絡めないとなかなか話が通らない事も多いのではないでしょうか。こんな面倒な事をしなくても済むのであればラッキーとも言えますが。
■「数字」の裏付けを取る
どの数値を用いるかが決まったら、続いてすべき事は数字の裏付けを取る事です。
さすがに改善提案後の数値は、推測ベースではじき出さなければならない部分が多々出てくると思いますが、少なくとも改善提案をする元となる、改善前の現状の数値については把握が必要です。なお、提案をする一瞬の数値を把握しても説得力に欠けると思われます。最低限1ヶ月の推移、可能であれば4半期〜1年以上の期間で過去実績を調べる等の取り組みをする事をおすすめします。現状の数値が把握出来たら、改善提案をする事でどの程度の効果が得られるか、自身で検証を行ってください。自分自身が検証結果に納得出来なければ、決済者も納得出来る訳が有りません。この辺りの出来不出来は、如実に提案書に浮かび上がってくるものです。
最後に、一番大切な事を書いておきます。
それは、「予め改善提案を聞いてくれそうな人を探し、相談する」事です。いくら数字を作って立派な提案書を作ったところで、その内容を聞いてもらえなければ全く意味がありません。自分もまさにそのケースで、「忙しい上司への、自分の思いの伝え方」の投稿に書いたお話のように、どんなに会社にとってよい提案であったとしても、特定の人員や部署にとって不利益な内容であれば、特定の人員や部署はその提案に賛成する訳が有りません。
ですから、改善提案を考える時にまずすべき事は、「その改善提案で不利益を被る人が実はいるんではなかろうか」と自分の立ち位置から離れて改善提案をみる事、もし残念ながら該当するのであれば、その不利益を被る人たちがいても自分の提案を推すべきか再考する事、提案を推すべきと判断するのであれば、事前に味方になってくれそうな人を捜し、相談する事」なのです。
長々と書きましたが、一言で言うと、要は「根回し」「ネゴ」です。メンドクサイのですが、自分の経験ではこれを事前にきっちりやっておくか否かで、結果が大きく変わる事がまま有ると考えます。
■「数字」に基づく結果を出し、数字を味方に付ける
ここまで来たら、あとは「忙しい上司への、自分の思いの伝え方」の投稿に書いたやり方で提案書を書き上げれば、その提案は決済が通る事間違いなしです(嘘)。
しかし、通ったとしてもそこで話が終わる訳ではありません。提案内容に基づき結果を出すことで、はじめて数字が自身の味方になるのです。
一旦その数字を味方にしてしまえば、後はその数字に基づき、自分自身で自分の仕事をコントロールする事が出来るようになっていきます。また、このような取り組みを継続する事で、自身が手にする数字は少しずつ増え、これに伴い自身がコントロール出来る仕事の領域も増え、仕事の内容にも厚みが増していきます。
ちなみに、上記の数字については自分が「改善提案」を出した時の話を例に挙げましたが、「目標管理」や「他社への売り込み」、また自身が転職をする際の「職務経歴書で自分の実績をアピールする」際など、いろいろと応用が利きますので覚えておいて損は無いと思います。
また、ダイヤモンドオンラインの記事で、昨年まで中日ドラゴンズの監督をされていた落合博満さんが数字にまつわるお話をされていますので、あわせてお読みになると数字との付き合い方がよりリアルに伝わるとおもい、ご紹介させて頂きます。
※しかしながら、なにぶん学が無いもので、この手の事を考えるときにもっと大切なお話がボコッと漏れているかもしれません・・・
「本当はこのような数字(指標)もあげてしかり」というようなお話があれば、是非フィードバックをさせて頂きたく、ご指摘をお待ちしております。
■仕事を「数字」で考えるようになったきっかけ
思えば自分は、20代の頃に仕事で数字を意識した事があまり有りませんでした。というか、数字に迫られるような仕事をした事も無かったというのが正しい言い方になりますね。例えば、開発をやっていた頃は、成果物が納期通りに上がればまぁ良しという世界であり、工数はどんぶりでした。インストラクター時代も、予め決められた開催日までに講師として教科を習得を終わらせれば何も言われませんでした。これらはある意味、昔々の物々交換の時代に近いノリであり、シンプルで分かり易く、自分の成果を伝える為に頭を使う必要が余り有りませんでした。
しかし、自分の場合、それでは話が通じない事が出てきました。ちょうど30代に入ってすぐ、「人間「システム監視マシーン」からの脱出」や「ネットベンチャーブームとシステム負荷との戦い」あたりでのお話です。
この時はインフラ構築・運用がメインだったので、会社としては「インフラがトラブル無く稼働し、サービスが継続出来れば、まぁ良し」の世界で有り、前段のお話で行くと「気合いと根性で、インフラをトラブル無く稼働させる」ことがシンプルで分かり易く、自分の成果を伝える為に頭を使う必要が余り有りません。
が、元記事に書いたように、自分はそのやり方に辟易していた訳で、会社として「まぁ良し」とされていた状況を覆さないと、自分の思うような仕事をする事が出来ない状態でした。
皆さんだったら、このような状況に追い込まれた時、どんな手を打ちますか?単なる改善提案だけでは、会社として「まぁ良し」としているのに、余計な手間ひまかける事無いと判断されてしまう可能性が高い状況です。
■自分の仕事を「数字」で表現する
このような状態で決定打になるのが「数字を味方に付ける事」です。
もしあなたが、会社にとってより良いと思う提案をしようとしているのであれば、よりよいと思っている事がどのようなメリットをもたらすかを、「数字で示す」のです。
「数字の種類」は担当業務によりまちまちですが、自分が今までの経験で意識した数字(指標)の分類を以下に列挙します。
これらの分類に属する数字か、又はこれらを組み合わせる事で、自身が携わる業務に関する改善提案のメリットを、あらかた説明が出来るはずです。
逆に、このいずれの数値を使っても改善提案のメリットを説明する事が出来ないのであれば、その提案の有効性をもう一度検討し直す事をおすすめします。
良くあるケースとして、専門的な分野で用いられている指標をそのままつかってしまう事をあげておきます。
例えば自分が属していたIT関係の分野では、CPUやメモリ、ストレージの利用率等をそのまま提案書に載っけても、それが採用されるか否かは、その提案書を見て決済する上司や役員に掛かっている訳で、もしそのような立場の人がITに疎ければ、「ストレージの利用率?要らんファイル消しとけJK」みたいな具合になってしまう訳です。
よって、決済をする人がよほど貴方の仕事に精通していない限りは、無理矢理でも上記5つのいずれかに絡める事が必要になると思った方が良いでしょう。
また、0からものを生み出す事を求められる仕事や、いわゆる「おもしろい」の一言で突っ走りたい仕事等も、ビジネスの縮小均衡が多く見られる最中において、最終的には上記5つのいずれかに絡めないとなかなか話が通らない事も多いのではないでしょうか。こんな面倒な事をしなくても済むのであればラッキーとも言えますが。
■「数字」の裏付けを取る
どの数値を用いるかが決まったら、続いてすべき事は数字の裏付けを取る事です。
さすがに改善提案後の数値は、推測ベースではじき出さなければならない部分が多々出てくると思いますが、少なくとも改善提案をする元となる、改善前の現状の数値については把握が必要です。なお、提案をする一瞬の数値を把握しても説得力に欠けると思われます。最低限1ヶ月の推移、可能であれば4半期〜1年以上の期間で過去実績を調べる等の取り組みをする事をおすすめします。現状の数値が把握出来たら、改善提案をする事でどの程度の効果が得られるか、自身で検証を行ってください。自分自身が検証結果に納得出来なければ、決済者も納得出来る訳が有りません。この辺りの出来不出来は、如実に提案書に浮かび上がってくるものです。
最後に、一番大切な事を書いておきます。
それは、「予め改善提案を聞いてくれそうな人を探し、相談する」事です。いくら数字を作って立派な提案書を作ったところで、その内容を聞いてもらえなければ全く意味がありません。自分もまさにそのケースで、「忙しい上司への、自分の思いの伝え方」の投稿に書いたお話のように、どんなに会社にとってよい提案であったとしても、特定の人員や部署にとって不利益な内容であれば、特定の人員や部署はその提案に賛成する訳が有りません。
ですから、改善提案を考える時にまずすべき事は、「その改善提案で不利益を被る人が実はいるんではなかろうか」と自分の立ち位置から離れて改善提案をみる事、もし残念ながら該当するのであれば、その不利益を被る人たちがいても自分の提案を推すべきか再考する事、提案を推すべきと判断するのであれば、事前に味方になってくれそうな人を捜し、相談する事」なのです。
長々と書きましたが、一言で言うと、要は「根回し」「ネゴ」です。メンドクサイのですが、自分の経験ではこれを事前にきっちりやっておくか否かで、結果が大きく変わる事がまま有ると考えます。
■「数字」に基づく結果を出し、数字を味方に付ける
ここまで来たら、あとは「忙しい上司への、自分の思いの伝え方」の投稿に書いたやり方で提案書を書き上げれば、その提案は決済が通る事間違いなしです(嘘)。
しかし、通ったとしてもそこで話が終わる訳ではありません。提案内容に基づき結果を出すことで、はじめて数字が自身の味方になるのです。
一旦その数字を味方にしてしまえば、後はその数字に基づき、自分自身で自分の仕事をコントロールする事が出来るようになっていきます。また、このような取り組みを継続する事で、自身が手にする数字は少しずつ増え、これに伴い自身がコントロール出来る仕事の領域も増え、仕事の内容にも厚みが増していきます。
ちなみに、上記の数字については自分が「改善提案」を出した時の話を例に挙げましたが、「目標管理」や「他社への売り込み」、また自身が転職をする際の「職務経歴書で自分の実績をアピールする」際など、いろいろと応用が利きますので覚えておいて損は無いと思います。
また、ダイヤモンドオンラインの記事で、昨年まで中日ドラゴンズの監督をされていた落合博満さんが数字にまつわるお話をされていますので、あわせてお読みになると数字との付き合い方がよりリアルに伝わるとおもい、ご紹介させて頂きます。
※しかしながら、なにぶん学が無いもので、この手の事を考えるときにもっと大切なお話がボコッと漏れているかもしれません・・・
「本当はこのような数字(指標)もあげてしかり」というようなお話があれば、是非フィードバックをさせて頂きたく、ご指摘をお待ちしております。
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